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聴覚障害者災害時支援用スカーフの役割を紹介。災害時の助け合いをスムーズにするアイテム
みなさんは、聴覚障害者災害時支援用スカーフ、あるいは災害支援バンダナというものを見聞きしたことはありますか?
聴覚障害者災害時支援用スカーフとは、聴覚に障がいのある方等が、災害時に避難所などで身に付け、「耳がきこえないです」「手助けをしてください」とメッセージを発するためのものです。
今回はそんな聴覚障害者災害時支援用スカーフについて、詳しくご紹介します。
目次
聴覚障害者災害時支援用スカーフとは
聴覚障害者災害時支援用スカーフは、主に聴覚に障がいのある方が、地震や洪水などの災害が起きた際に避難所や避難先で身につけることで、周りに自分の障がいについて容易に知らせることができるアイテムです。
災害時は、情報の伝達や共有が非常に大切です。
しかし、聴覚に障がいのある方だと、内容の把握が遅れてしまったり、周りに自分の障がいや意思を伝えきれず、手助けが遅れてしまう恐れもあります。
そんな時にこのスカーフを身につけることで、周りに自分の障がいを知らせることができ、手話や筆談などで周囲とコミュニケーションが図れるようになるため、スムーズな情報伝達が可能となります。
聴覚障害者災害時支援用スカーフのデザインは、半分に「耳が聞こえません」の印字、もう半分に「手話ができます」の印字がされています。
聴覚障害者災害時支援用スカーフの身に付け方
聴覚障害者災害時支援用スカーフの身に付け方の例として、上図のように肩にかける方法があります。
必要に応じて「耳が聞こえません」または「手話ができます」の面が見えるように二つ折りにし、肩にかけることで、周りにサポートが必要である旨を知らせることができます。
他にも、頭にバンダナのように巻いたり、前掛けのように文字面を前面に持ってきても良いでしょう。自分の体に合わせて、文字が見えるように身に付けてみてください。
聴覚障害者災害時支援用スカーフを身に付けている人を見かけたら?
避難所などでこのスカーフを身に付けている方を見かけた場合は、ぜひ積極的にサポートをしてあげましょう。
写真のように「耳がきこえません」等の印刷があります。避難所などで、このスカーフを身に着けてる方があれば、筆談などのお手伝いをしてくださいというメッセージです。
「耳がきこえません」という印字があった場合は、筆談などでお手伝いをしてあげましょう。
反対に、健聴者が「手話ができます」という印字が見えるように身に着けておくと、スカーフを持っていない聴覚障害者の方が、自分から手話で支援を求めることができるという仕組みです。
聴覚障害者災害時支援用スカーフ その他の活用方法
耳の聞こえない方は、災害時に自宅に取り残されたり、救助隊の方が近くに来たりしても、自分の位置を知らせることが困難です。
そんなとき、災害時支援スカーフがあれば、大きく振って自分の居る位置を知らせることができます。また、一般市民の方も、スカーフを振っている人がいたら、何か助けを求めていると認識することが可能です。
それ以外にも、災害避難の際にスカーフやバンダナのようなものを準備しておくことは、以下のようなメリットがあります。
- 肩に羽織ることで簡単な防寒具になる
- 怪我をしたときの応急処置ができる
- 結び合わせることでロープの代わりになる
聴覚障害者災害支援用スカーフは、はっきりと目立つ色合いをしています。
もし、怪我をしたところにこのスカーフを巻いている人がいたら、筆談で「お手伝いすることはありますか?」などとアプローチしてください。
そういう意味でも、聴覚障害者の方が災害時支援用スカーフを身に付けていることには高い効果があることが分かります。
聴覚障害者災害時支援用スカーフの認知、普及を
聴覚障害者災害時支援用スカーフの認知拡大・普及は、災害時の聴覚障害者の安全確保だけでなく、社会全体の防災意識向上にもつながると思います。関係機関が連携し、多角的なアプローチで啓発活動を進めることで、より多くの人にスカーフの存在を知ってもらい、活用してもらうことが期待されます。
まずは、スカーフの存在やデザインについて知っていただきたいと思います。手話ができない方でも、筆談ならできますよね。
鳥取市内で災害が起きた際、「耳が不自由です」と書いたスカーフを身に着けた人が避難所にいたら、ぜひメモ帳やスマートフォンのメモ機能を使って、筆談を申し出てほしいと思います。